2018年01月05日

コナンの大運動会



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コナンをおうちまでお届け


今日のサンデー、コナン

「紅檜皮の犬矢来(べにひはだのいぬやらい)」の感想です。

 

 

本日2回目の更新、1回目に「サンデー40 コナン情報」をUPしています。

 

 

 

では、すぐ本編いきます。

 

 

「紅の修学旅行編」

 

FILE1002、シリーズ第3話、ネタバレしてます。

 

 

 

扉絵以外の画像を削除しました。

 

 

 

今週の扉絵・・・

犯人はーーー天狗?

 

 

 

 

 

宿泊先のホテルのレズトランで朝食ナイフとフォーク

 

 

 

世良 「て、天狗!?天狗が阿賀田さんの部屋に出ただと!」

 

新一 「ああ・・・」

 

 

天狗は阿賀田さんが灰皿を投げたら燃えて消えた。

燃えて消えたなんて、特撮じゃないかと言う世良。

 

 

阿賀田さんの話では、

 

西木さんが殺された後、自分の部屋に戻って休もうとしたけどなかなか寝付けず、バーで一杯飲んでから寝ようとしたら飲みすぎて泥酔し、気が付いたら自分の部屋に戻っていた。

 

寝起きの一服でタバコに火をつけた時に妙な気配を感じ、天井を見上げたら天井から巨大な天狗が睨んでいて、イスから転げ落ちて大声を上げた。

 

 

いつの間にか自分の部屋に戻っていたけど、バーから部屋に戻る途中、誰かに介抱されたような気もすると言っていた。

 

その誰かが、阿賀田さんの部屋に何かを仕掛けた可能性もある。

 

 

でも、何かを映し出す映写機のような物はなかった。

新たな暗号もなかった。

 

殺された西木さんと同じく、阿賀田さんも額にタンコブを2つ付けられていた。

 

タンコブなら女優の鞍知景子さんも撮影中に転んでタンコブを作ったって言っていた。

 

映画はもう完成してたけど、ラストシーンをやり直したいと彼女が監督にお願いして、つい先日撮り直したシーンで転んだようだ。

 

今思えば誰かに背中を押されたかもしれないと言っていた。

 

さっき会った時は帽子を被ってなくてオデコが少し腫れてたから転んだのは本当だと思う。

 

転んだ時は昔話の「コブ取り爺さん」みたいって笑ってたらしい。

コブ取り爺さんのコブはホッペじゃなかったかと言う世良に、地方によって色々伝わり方があると言う新一。

 

 

西木さんの部屋の天井の血は本当に彼の血だったのか?

 

警察によると、中心部分の新一の肩に落ちた血だけ西木さんの血で、後は随分前に付けられた絵の具だった。

 

西木さんの胸を刺した凶器もまだ見つかっていない。

 

 

蘭ちゃん、朝食を持って新一と世良ちゃんのいるテーブルに来るむかっ

 

かなり怒ってる?

 

 

新一 「ら、蘭?」

 

 

ロンドンで新一と蘭がディープキスしたことになってるらしい矢印(やっぱりぷぷ)

 

 

新一 「はぁ!?」

 

 

中道くんが変な関西弁で言いふらしてるとか。

「あいつらもう、ブッチューってやってもうたんでんがな」

 

 

関東の人が関西弁喋るとなぜかいつも「でんがな」になる。

あ、「おまんがな」もあったっけ?

 

 

新一 「あ、いや、あれはオレの声だけどオレのじゃなくて・・・」

 

 

なぜ関西弁なのかと疑問に思う世良ちゃんに、新一に「郷に入っては郷に従え」って言われたらしいと園子が説明する。

 

 

新一が袖を折り畳んでることを不思議に思う世良ちゃん。

 

普通は邪魔ならたくしあげるだろ?と。

 

ただ何となくだと説明する新一に、

 

 

世良 「まるでそのジャージを、小さな子供に着せてたみたいだな?」

 

 

新一 「バ、バーロ そんなワケねーだろ?」

 

 

蘭が新一の後の壁に映画のポスターが貼ってあるのに気づく。

 

「紅の修羅天狗」

 

景子さんが出る映画のポスター。

でも脚本の西木さんがあんなことになったから公開されないかも。

 

どんな話だったんだろう?

 

 

時は江戸時代・・・

 

京都奉行所に倉之介という与力がいた。

将軍様に献上する珍しい品ないかと奉行所に相談されて悩んでいた。

 

それを聞いた妻の真菜はある日金色に輝く八手の葉を夫に見せてこう言った。

「山菜採りの折に見つけた八手でございます。神々しいのでいつもは手を合わせ拝んでいたのですが、貴方のために取って参りました」

 

その日以来、京都の町に夜な夜な奇怪な魔物が出没し、人々を喰い殺し始めた。

なぜならその八手は昔、天狗が魔物を封じ込めた封印だったから。

 

倉之介の夢枕に天狗が現れ、

「魔物は自分の封印を解いた主が再び自分を封じるのではないかと恐れ、その主を捜して亡き者にしようとしているならば、お前の妻の懐に金色の八手を忍ばせて魔物に喰わせてしまえば再び封じることができる」

 

「そんなことはこの命にかえてもできぬ」と倉之介が断ると天狗が、

「ほう、命を懸けると申すか?ならば八手を手にして清水の舞台から身を投げよ、さすれば道は切り開かれるであろう」

 

天狗の言葉を信じて清水の舞台から飛び降りた倉之介は金色に輝く天狗になった。

 

魔物に喰い殺される寸前の真菜を助け魔物を退治したが、天狗になってしまった倉之介はもう真菜には見えなくなっていた。

 

夫が突然姿をくらまして涙に暮れる真菜に声が聞こえる。

 

「私に会いたくば紅葉が最も紅色に染まる夕暮れ時に天狗の花を持って清水の舞台へ参れ」

 

真菜が言われた通りテングクワガタという花を摘んで清水の舞台へ行くと、

天狗になった倉之介が現れ事の次第を話す。

 

なぜ夕暮れ時なのかは、倉之介の顔は天狗への怒りで赤くなり体中魔物の返り血で赤くなってるから目立たないように夕暮れ時を選んだ。

 

 

今週、やたらめったら文字数が多いような・・・うー

 

 

 

「別れの口付けを交わした後、倉之介は夜の闇に消えて行く」

 

という哀しい物語。

 

(以上、全部新一の話でした)

 

 

 

何で公開前の映画のストーリーをそんなに詳しく知ってるのか、蘭も園子も世良も不思議がる。

 

実はこの映画、あの5人が祇園芸術大学時代に撮った卒業制作の焼き直しでネットにストーリーがバッチリ載っている。

 

 

蘭 「そういえば清水の舞台で景子さんに会った時・・・」

 

 

押し花を風に飛ばしてた。

あれはその話に出て来る天狗の花だったのかも。

 

 

「待っててね出栗くんもうすぐだから」と言っていた。

 

 

新一 (何で出栗くんなんだ?そんな奴スタッフにいなかったよな?)

 

 

蘭 (真菜と倉之介が口付けを交わした清水の舞台・・・)

 

 

蘭 (新一も・・・キスしたいのかなぁ?)

 

 

 

 

 

 

帝丹高校修学旅行、昼間は観光・・・

 

 

午後からは各班ごとの自由行動になる。

 

先生 「午後6時までにはホテルに戻るように」

 

 

 

中道くんがホテルの大浴場で自撮り棒を駆使したら女湯がのぞけると新一に教える。

 

新一 「マジで?」

 

世良は胸がナンだけど、毛利とかすごいことになってんじゃないか?と言う中道くん。

 

新一 「ま、まあな・・・」

 

中道 「まぁなって、お前・・・チューした上に毛利と一緒に風呂に入ってんのかよ?」

 

新一 「入ってるわけねーだろ!」

 

新一 (たまにコナンで入ってるけど・・・)

 

 

たまにコナンで入ってるらしいぷぷ

新ちゃん、何回入ったっけ?

 

 

 

電話が鳴るスマホ

 

平次 「大変や・・・」

 

マスコミがホテルの前に押し寄せてえらい騒ぎになってると。

 

 

平次 「それよりちょっと抜けられへんか?あの4人が例の暗号を考えた『出栗』って奴の話をしたい言うててホテルやとマスコミがうるそーて話しづらいから、昼飯の予約してた店に行こか?ってことになってのぉ・・・警察と一緒にオレも行くんやけどお前も来ぇへんか?」

 

新一 「どこの店だよ?」

 

平次 「先斗町の急山っちゅう料亭や!」

 

 

 

蘭たちがお昼ご飯をどこで食べようか話をしてると、

 

新一 「先斗町の急山って店はどうだ?」

 

無事に「急山」という料亭に行けることになった新一。

 

 

料亭に着いたけど、急な駆け込みで最初は断られるが、園子の力で入れることになる。

 

さすが、鈴木財閥Yen

 

 

お店の前にある竹でできた丸い柵が気になる世良ちゃん。

 

他の店にも似たようなやつが付いてるから、京都の流行りじゃないかということになる。

 

 

紅葉 「それは・・・犬矢来です・・・」

 

 

紅葉 「泥棒除けや道路との境界線の役目をしてると言われてますけど、ホンマは犬のおしっこ除けみたいです」

 

 

蘭 「紅葉さん!」

 

 

知り合いなのかと聞く園子に、この前お父さんと京都に行った時に会ったと説明する蘭。

 

そして、巨乳に目が行く世良ちゃん。

 

 

東京から修学旅行に来てると言うと、地方からようこそと言われ、

 

園子 「地方って・・・」

新一 「首都の東京からですが・・・」

 

世良 「何食べたらあんなに大きくなるんだ?」

やっぱり巨乳に興味がある世良ちゃん。

 

 

紅葉さんは午後から学校がお休みで、ここのお店でお昼を食べようと来たところだった。

 

紅葉 「ご一緒しはります?」

 

蘭 「紅葉さんって京都泉心高校でしたよね?」

 

蘭 「沖田総司くんって知ってます?」

 

紅葉 「ああ、あの剣道小僧ならウチと同じクラスです・・・」

 

蘭の口から沖田くんの名前が出ると不機嫌になる新一むかっ

 

 

立ち話も何だから、お店の中に入って話そうということになり、入り口に向かうと、

 

 

「天狗やーーー!!」

 

 

木屋町通りに天狗が出た天狗横顔

 

 

料亭の中で話をしてる綾小路警部、平次、例の4人。

 

刑事が綾小路警部に天狗が出たと報告に来た。

天狗の数は1人や2人ではないらしい。

 

料亭に4人を残し、綾小路警部と平次が天狗の出た木屋町通りに向かう。

 

 

天狗だらけの木屋町通り・・・天狗天狗横顔

 

 

新一と中道くんが片っ端から捕まえようと走る。

 

蘭ちゃんと世良ちゃんも続く走る

 

 

置いて行かれた園子と紅葉さん。

 

2人の腕っぷしは超弱い(´_`。)

 

 

天狗に襲われそうになる2人天狗

 

 

すると、

 

 

天狗に蹴りを入れ、お嬢様を救う伊織さん。

 

 

今来た平次が、もう捕まってもうたかと悔しがる。

 

 

平次を見つけた紅葉さんもみじ

 

「平次くん!」

 

 

天狗の面を付けて木屋町通りを走り回ったら前金で10万、30分誰にも捕まらなかったら100万くれるとネットで募集があった天狗横顔

 

 

 

新一が走って来た走る

 

「おい、服部!今店にはあの4人だけか?」

 

 

平次 「アカン!店に戻らな!」

 

 

 

急いで料亭に戻ると店先で、

 

今度は井隼さんが殺されていた。

 

また逆さでタンコブ2つ付けられていた。

 

 

平次 「しかしけったいな犯人やな・・・殺す前に時間かけてこないな跡付けて・・・」

 

 

新一 「いや、オレたちがここを離れる10分前にはこんな跡はなかったぜ?」

 

 

 

 

 

 

次号につづく・・・

 

 

 

 

ちょいと疲れたので、感想は後で追記します。

喉が渇いたので、とりあえず一杯生ビール

 

 

 

 

どうも失礼しました三つ指ごあいさつ

生き返ったので感想&考察の追記です。

(8月30日17時47分追記)

 

 

もう、何から書いたらいいのか、今週も盛り沢山な内容でしたね。

 

 

どうぶつの森で伊織さん(セバスチャン)が出ると告知があったようなので、

紅葉さんも出るのかなって思ってたら出ましたね。

 

和葉ちゃんより先の登場ですね。

 

しかし、綾小路警部が映画と連動して初対面じゃないのはとてもいいなって思ったのですが、紅葉さんまで既に蘭ちゃんと会ってる設定ってことは、映画の話がしっかり組み込まれてると考えていいんでしょうかね?

 

今度やっとアニメでやる「鵺」で紅葉さんは初登場だけど、あの時は平次を「未来の旦那さん」と呼んでましたよね?

 

でも、間に「から紅の恋歌」が入るとなると、今回の紅葉さんは「未来の旦那さん」については映画後ってことになるんでしょうかね?

 

それとも、映画とは多少は違うんでしょうか?

 

紅葉さんが平次に気づいて「平次くん!」って言ってたけど、平次がどう反応するのか来週の話を見ないとわからないけど、「おう、紅葉やないか!」って感じで呼ぶんでしょうか?

 

どの程度連動するのか気になります。

 

 

 

やっぱり、平次のあの一言で新一と蘭ちゃんがキスしたと噂になってましたね。

 

しかも、ディープキスってことになってるし・・・ぷぷ

 

「新一もキスしたいのかなぁ?」

 

これは今回のシリーズの伏線でしょうか?

 

伏線であって欲しいですねスキ

 

 

 

事件の方は先週暗号を解いてくださった方がいまして、暗号の解き方はわかりました。

 

あの暗号の紙に書かれてる飛び飛びの文字のところに当てはまる京都の地名を入れて、それぞれの地名の最初の文字を続けて読む。

 

最初の暗号が「殺すのは3人、まずはシナリオだ」

 

2枚目の暗号が「殺すのは後2人、次は主演だ」

 

になるんですね。

 

シナリオは脚本家の西木さん。

主演は今回の映画の主演の井隼さん。

 

2人とも殺されてしまいました。

 

そうなると2番目に天狗に襲われそうになってた阿賀田さんは暗号に出て来ないので、自演なのではないかという推理をされていました。

 

今週の話で少し進展があって、阿賀田さんがバーで飲んでいたこと。

誰かに介抱されて知らないうちに部屋に戻っていたこと。

 

これが事実だとすると阿賀田さんの自演かどうかは怪しくなって来ましたね。

 

 

オデコのタンコブが何を意味してるのかよくわかりません。

 

映画のストーリーを読むとやっぱり鞍知景子さんの復讐のように思えますが、まだ何の証拠もないですし、さっぱりわからないです。

 

天井の血がほとんど絵の具だったってことは事前に付けておいた可能性が高いですね。

 

今回の竹の柵に付いた足跡も事前に付けておいて、向きを変えてたんじゃないかと思います。向きが変えられるのかわかりませんがあは・・・

 

 

事件の方はまたゆっくり考えます。

 

 

とりあえず、今週の感想はこんなところです。

 

 

 

コメントは多分これからは個別に返せると思うので返信記事は書かないと思います。

もし、時間的に無理な時は以前のような返信記事にするかもしれません。

どちらでも構わないという方だけコメントをお願いいたします三つ指ごあいさつ

 

 

 

 

 

 

では、またバイバイもみじ


コナン自分の硬さ


日本ミステリ界に新本格ブームを
巻き起こした名作ミステリ。

『十角館の殺人』
(綾辻行人)1987年

 
Amazon

 


もちろん名前は知っていたが
今まで読まなかった作品。

今回は叙述トリックを中心に
日本のミステリを漁っていこうとしたら
この作品を避けては通れないということで
改めて綾辻作品に触れることに。

「新装改訂版がいい」との
噂を聞いたので
新品を買って読了。
その感想です。


あらすじ

「人は神にはなれない」
これから行う殺人の全容を書いた紙を
壜につめ、海に流すひとりの男の姿から
この物語ははじまる。

3月下旬。
大分県J崎を離れ
十角形の奇妙な形をした館が建つ
角島を訪れた大学のミステリ研究会メンバー。
彼らは古典ミステリ作家にちなんだあだ名で
お互いを呼びあっていた。

エラリイカーポウルルウ
アガサオルツィヴァンの7人。

角島には半年前に全焼した青屋敷があり
十角館を建築した中村青司
そこで四重殺人に巻き込まれて
焼死したという。
犯人と思われる庭師の行方と
夫人の消えた左手首・・・
ミステリ好きの彼らが興味を示すには
うってつけの事件だ。

一方、本土でも異変が起こっていた。
島に行かなかった元ミステリ研究会員の
江南(かわみなみ)孝明のところに
「お前たちが殺した
 中村千織は私の娘だった」
と中村青司からの手紙が届く。

死者からの手紙を不審に思い
青司の弟・中村紅次郎を訪ね
そこに居合わせた島田潔と出会う。

角島に着いた2日目の朝。
何者かが置いた7枚のプレートを目にする。
「第一の被害者」「第二の被害者」
「探偵」「殺人犯人」・・・
誰かのイタズラと
その時は考えていたのだが・・・

江南はミステリ研究会の
守須(もりす)恭一を加えて
島田と3人で半年前の
四重殺人を調べるうち
死んだと思われた中村青司が
生きている可能性もあると気付く。

角島の3日目
第一の悲劇が起こる。

オルツィの部屋の前に
「第一の被害者」のプレート。
医学部のポウが中に入り
オルツィが絞殺されていることを告げる。
左の手首が切り取られていたのは
青屋敷の四重殺人に見立てたのか?

続けて起こる第二の殺人。
コーヒーを飲んだカーが
突然苦しみ出し死亡する。
無作為に取ったコーヒーの中に
亜ヒ酸の入ったものがあり
死に至らしめたのだ。

コーヒーカップに目印らしきものはなく
狙われたのはカーではない可能性もあり
疑心暗鬼になるメンバー。

はたして
半年前に死亡した中村青司は
生きていて
彼らに復讐をしているのか。

それとも
このメンバーの中に
冷酷な殺人犯人が
潜んでいるのだろうか・・・


解説

角島を訪れた
大学のミステリ研究会メンバー7人が
次々と殺され、
本土に残ったメンバーには
死者からの手紙が届く。
島と本土でそれぞれ犯人を捜す、
孤島のクローズドサークルものの
本格ミステリー。


この作品は綾辻行人のデビュー作。
物語終盤で
ミステリ史上に残る
大どんでん返しが待っている。

新装改訂版ではその衝撃を増すために
あの1行」をページをめくって
すぐの位置にもってきている。
今読むなら
新装改訂版をおすすめしたい。
不意打ちをくらって
あまりの衝撃に
打ちのめされるだろう。

「イニシエーション・ラブ」の
ラスト2行目が読んだ後に
じわじわ来る系なら
「十角館の殺人」のあの1行は
読んだ瞬間に
全ての事実が繋がって真相がわかる系。
やられた!そういうことか!
と納得するでしょう。

この作品の趣向がアガサ・クリスティの
「そして誰もいなくなった」であるのは
間違いないですが
海外の古典ミステリを読んでいる人ほど
作者の仕掛けにはまりやすい。

俺は「そして誰もいなくなった」の犯人や
コナン・ドイルやモーリス・ルブランなど
海外のミステリー好きなので
まんまと騙されました。



欠点としては……

●犯人とある重要人物の関係が隠されていて
ほぼ手掛かりがないこと。

●動機にしても
レイプされたとかなら恨みもあるだろうが
逆恨みもいいところ。

●あと手首って
そう簡単に切れるものなの?

●実験室から毒薬を
簡単に持ち出しすぎ。

●青酸って少量なら死なないはず。
ペロッてコナン君も舐めるくらいだし。

(実際には麻薬で、

青酸カリを舐めるのはコラのようです)
口紅に青酸を塗りつけて
致死量の毒を与えるには
かなり無理があるかなぁ。
匂いで気づくだろうし

飲みこまなければいけないから

食べたり飲んだりが必要では?

俺の感想

クリスティの『そして誰もいなくなった』を
先に読んでおくと
良い感じに騙されます。

白と黒が反転する
本物のどんでん返しを
味わいたいなら
間違いなく読んでいなければ
いけない作品でしょうね。

粗さもある作品ですが
デビュー作の勢いみたいなものは
すごく伝わるし
「あの1行」のために
すべてを懸けてるなって感じました。

★★★★★ 犯人の意外性 
★★☆☆☆ 犯行トリック   
★★★★☆ 物語の面白さ  
★★★☆☆ 伏線の巧妙さ    
★★★★★ どんでん返し

笑える度 -
ホラー度 △
エッチ度 -
泣ける度 -

総合評価(10点満点)
 9点  

-------------------------------













※ここからネタバレあります。
未読の方はお帰りください。
 










-------------------------------






ネタバレ結末

〇被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】
オルツィ ---●ヴァン ---憎悪【絞殺:ナイロン紐】
カー ---●ヴァン ---憎悪【毒殺:亜砒酸】
ルルウ ---●ヴァン ---憎悪・口封じ【撲殺:石】
アガサ ---●ヴァン ---憎悪【毒殺:青酸口紅】
ポウ ---●ヴァン ---憎悪【毒殺:青酸】
エラリイ ---●ヴァン ---憎悪【焼死:火災】

結末
十角館は全焼し、
エラリイが全員を殺して
自殺したかに見えた。
しかし、
最後に生き残ったヴァンは
守須だった。
守須が本土と島を行き来して
アリバイを作りながら全員を殺した。

自分の罪を告白した手紙を
瓶に詰めて海に投げたが、
それが戻ってきて
彼は島田に全ての罪を告白する。

あの一行で世界が反転する

この作品は叙述トリックの金字塔。
たった一行の記述で
全ての意味が繋がって
鮮やかに真相が開ける。

それがこれだ。

“「江南君にも、研究会に入っていた時分にはあったんですかな、同じようなカタカナの呼び名が」
「ええ、まあ」
「何といったんです」
「恥ずかしながら、ドイルです。コナン・ドイル」
「ほほう。大家の名ですな。守須君はじゃあ、モーリス・ルブランあたりですか」
警部は調子に乗って尋ねた。
守須はわずかに眉を動かしながら、「いいえ」と呟いた。それから、口許にふっと寂しげな微笑を浮かべたかと思うと、やや目を伏せ気味にして声を落とした。
ヴァン・ダインです」”(401~402ページ)

 


この瞬間、
あっ!となった読者も多いはず。

ポイントのひとつは、
孤島にいる7人と同一人物が
島の外にいるはずがない
という
思いこみを利用していること。

だいたいニックネームで
呼び合うことからして
怪しいのだが、
この本が出た1987年には
叙述トリックが一般に
認知されていなかったことも大きい。

ゴムボートで犯人が
島に上陸している形跡
があっても
「中村青司が生きている」説が
邪魔をして守須に結びつきにくい。

すぐ近くの猫島なら
ゴムボートで行けそうだが、
本土までというのは
無理だろうという思いこみもある。

もうひとつが、
守須という名前から
ミステリ好きは
モーリス・ルブランを
連想してしまうこと
だ。

これは
コナン・ドイルの江南という
対になる人物がいるために
一言も言われていないのに、
守須=モーリスだと錯覚させられる。
ミステリ好きだからこそ
引っ掛かる罠だろう。

全員の本名まとめ

エラリイ 松浦純也(21)
アガサ  岩崎杳子(21)
ポウ   山崎善史(22)
カー   鈴木哲郎(21)
ルルウ  東 一 (20)
オルツィ 大野由美(20)
ヴァン  守須恭一(21)
ドイル  江南孝明(21)



『そして誰もいなくなった』を下敷き

閉鎖された環境で次々と
人が殺されていくタイプの小説を
クローズド・サークルという。
その中でも
孤島にとり残されて
外界と連絡もとれない状況下で
犯人に襲われるミステリーを
「孤島もの」といい、
その典型的な代表作が
アガサ・クリスティーの
そして誰もいなくなった

俺はこの作品を知っているために
序盤である勘違いをしてしまった。
オルツィが生きていると思ったのだ。

連続殺人の中で
犯人が一度死んだと
思わせるパターンは多い。
バールストン・ギャンビット(先攻法)という。
(これを作中で
 守須が指摘しているのが面白い)

オルツィの場合、
絞殺されて顔がはれて
見られたものじゃなかった。
・・・とポウだけが言って
誰にも見せずに部屋を封鎖した。

つまりポウしか
オルツィの死を見ていない。
ポウはオルツィと
幼馴染だったという情報から
オルツィがポウに協力させて
仲良しだった千織のかたきを
討とうとしているのだと思った。

オルツィの切られた手首も
ポウしか見ていない。
カーも手首を切られているが
他の人の目に触れたのは
こちらだけなのも怪しかった。

結局は
作者の掌の上で
踊らされていたのですね。

ヴァンを守須だと見抜けるか?  

唯一の手掛かりは
煙草の銘柄「セブンスター」

守須の初登場シーンから。

 

 

“O市駅前の目抜き通りを抜けた、湊に近い一角。<巽ハイツ>という独身向けワンルームマンションの、五階の一室である。
手紙を元通り封筒の中にしまうと、守須は軽く頭を振りながら、テーブルのセブンスターに手を伸ばした。
ここしばらく、煙草を吸って美味いと思ったことはまったくなかった。だが、ニコチンに対する欲求だけはどうしても消えない。”(108ページ)

 


そしてヴァンもセブンスターを吸う。

 

 

 

“「あ、ありがとう」
カップを受け取ると、ヴァンは吸いかけのセブンスターを灰皿に置いて、手を暖めるようにその十角形を包み込んだ。”(218ページ)

 


二人とも煙草を良く吸うが
他にも煙草を吸う人物が多いため
とてもわかりにくい。
(ちなみにエラリイはセーラム、
 ポウはラーク)

さらにいえば、
江南もセブンスターを吸っている。
(168ページ)
一応ミスリードなのだろうか?

他にはこれといった
手掛かりが見つからない。

ヴァンは自ら脱水症状になり
風邪を装ったが
本土で江南や島田と会った際には
そんな体調悪そうな様子は
一切なかった。

プレートをレタリングする技術から
絵心がある人物が怪しい

エラリイが推理(鋭い)。
守須も絵心があるのに
真っ先にオルツィが疑われた。
その後で
エラリイ、ポウ、ヴァンにも
多少の絵心はあると言い直している
(130ページ)

優秀なミスリードとして、
アガサの死体発見時の
リアルな驚き方

彼が犯人ではないと
思わされるのもポイント。
(第九章 309ページ)

決定的に見抜ける伏線は
なかったように思う。
守須と中村千織との関係も
全く出ていない。

その他の補足情報

有名な話であるが補足。
この作品の
メイントリックの発案者は
京大推理小説研究会に所属し
後に妻となる
小野不由美さん。

第29回江戸川乱歩賞に
応募して落選した際は
『追悼の島』というタイトルであった。
小野不由美は図案にも加わっている。

ペンネームの発案者は島田荘司氏。
作中の登場人物、
島田潔は島田氏の名前と
探偵・御手洗潔から由来。

オルツィの大野由美は
綾辻行人氏の奥さんの
小野不由美さんの名前が元ネタ。

エラリイの松浦純也は
法月綸太郎さんの本名・山田純也から。

カーの鈴木哲郎は
我孫子武丸さんの本名・鈴木哲から。

千織は我孫子武丸さんの奥さんの名前から。

角島の所有者として
巽昌章氏が登場している。

新装改訂版の表紙は
漫画家の喜国雅彦氏が担当している。

 

 


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Posted by taku at 12:08│Comments(0)
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